ご自身のブランドのシグニチャーは何だと思いますか? まず第一に、ウェアラブルであること。そしてゆったりしていて、これは私のブランドのフィロソフィーだと思います。 私は、コレクションをキャットウォークだけのものにしたくありません。ショーで見せるものは、皆さんが日常で実際に着ることができるものです。私はファッションはアートだとは思いません。 デザインの特徴は、カジュアルやエレガントな要素をミックスしながら、あまりハードな印象ではなく、柔らかく空想的で、どこかロマンティックです。 やわらかい印象 というのは非常に大切ですね。あとはニットやプリントが多いです。 2014-15年秋冬コレクションについて教えてください。 このコレクションでは、いろんな要素が表現されています。ひとつは、暖かみのある心地よさ。特に「ブランケット」のアイディアが生かされていると思います。パディング(詰め物)や、様々なテクニックによるニットウェアなどがコレクションに登場します。 ニットウェアは、毎シーズン、クリスチャン ワイナンツのコレクションでとても重要な存在です。いつもニットでいろんなデザインを試みたり、リサーチしたりしています。ときにマシーンも使いますし、手作業で仕上げることもあります。
より 具体的なインスピレーション源となったものはありますか?
このコレクションは日本のアーティスト、藤田嗣治(レオナール・フジタ)からも着想を得ています。ご存知の通り、彼は日本に生まれパリに移り住みました。ですから彼自身やその作品には、日本とフランス、つまりアジアと西洋の融合という、おもしろい要素がありました。 私をインスパイアしたのは、一枚のこの写真です(ブランケットに包まれた藤田嗣治のモノクロ写真を見せる)。ブランケットに包まれている姿が好きで。このブランケットは普通のものと違い、コレクションピースのようにパディングをした生地に似ています。 また藤田嗣治本人も好きですが、彼の作品も好きです。とても繊細でピュア、そしてどこか壊れやすそうな雰囲気を持っているから。でも一方、彼の作品は感情的なイメージもあったり、子どもらしい面を感じさせるところもあり、そこも気に入っています。私自身、フレッシュなイメージのものが好きなので。 あと彼の作品は、詩のように空想的でもあります。それはコレクションピースの淡くスモーキーな色合いで表現しました。 私のお気に入りの作品は、猫の毛や、木、マーブルなどいろんなテクスチャーが描かれた絵です。コレクションでは、花崗岩のような小さな石だったり、鉱石だったり、様ミュウミュウ靴コピー々な自然からヒントを得ています。 これらの模様を、してコレクションピースに仕上げています。ほとんどの鉱石の柄は一色で描かれているので、抽象的なイメージになりました。 柔らかい色使いとメタリックカラーが印象的です。 このコレクションにおいて、私はいかにも冬らしいダークカラーではなく、明るい色合いにしたいと思いました。もっとエネルギッシュでフレッシュな印象にしたくて。ホワイトは多く使用した色のひとつですね。コレクションでは、淡い色合いの中に、より明るいカラーをシューズやグローブに用い、アクセントにしています。 2014-15年秋冬コレクションに限らず、普段はどんなものから創作のヒントを得ていますか?
インスピレーションは自然に思いつくものです。ふと閃いたものもありますし。いつもムードボードを作っているシャネルマフラーコピーのですが、そこに自分のイラストを描くなどして、柔らかい雰囲気やな印象など、感じるままに表現します。そこから、いわゆる一般的なコンセプトというものを確立していきます。 一方で、とても強いコンセプトを持ったシーズンもありました。それが2014年春夏コレクションです。このシーズンでは、ソマリアにいる女性がバスケットボールをしている姿を描きました。 私は、あるときひとつの記事を読みました。それは一部のソマリアの女性たちは、宗教上の理由でバスケットボールをすることが禁じられているという内容でした。彼女たちがスポーツをすることは、許されないのです。顔もヴェールで覆わなくてはならないですし。
より でもこのソマリアの女性たちは、バスケットボールのプレイを続けました。それはとても危険なことで、多くの人たちはやめるべきだと彼女たちに言ったそうですが、女性たちは自由を勝ち取るため、やめませんでした。私は女性の権利のために戦う彼女たちの、逞しい姿に美しさを感じました。ですので、このコレクションでは文化的な要素が織り交ぜられているのです。 アフリカや西洋の国々、そして宗教といったことまで、私は様々なものをコレクションで表現します。